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ガソリン250円の最悪シナリオ|米イラン戦争・ホルムズ海峡封鎖で日本は何がどうなる【2026年3月】

· エンディ

2026年2月28日、アメリカとイスラエルがイランへの軍事攻撃を開始しました。

イランの最高指導者ハメネイ師が死亡したと伝えられると、イランは革命防衛隊を通じてホルムズ海峡を事実上封鎖。日本の海運大手も通峡を停止し、世界の原油供給の約2割が一夜にして止まる事態になっています。

ガソリンスタンドの価格表示はじわじわと上がり始めており、このまま事態が長期化すれば「ガソリン250円時代」が現実になりかねない——。この記事では、今何が起きているのか、そして私たちの生活にどんな影響が出るかを整理します。


今何が起きているか:3つの事実

注意

2026年3月9日時点の状況

  • 2/28:米・イスラエルがイランを軍事攻撃。ハメネイ師が死亡
  • 3/1:イランがホルムズ海峡を事実上封鎖。タンカー3隻を革命防衛隊が攻撃
  • 3/6:WTI原油先物が1バレル76.68ドルまで上昇(2/27比+15%)。「数日以内に100ドル超え」との予測も

日本郵船・川崎汽船など国内大手海運会社はいずれも海峡の通峡を停止。ペルシャ湾内に滞留する日本関係の船舶は40隻を超えています。


ホルムズ海峡とは何か:なぜここが止まると世界が揺れるのか

読者
ホルムズ海峡って、そんなに重要なの?
筆者
世界の原油供給の約2割、1日あたり約1,650万バレルが通過する「石油の咽頭部」です。ここが止まると、日本だけでなく世界中のエネルギー供給に直撃します。

ホルムズ海峡はイランとオマーンの間に位置する、幅わずか約55kmの海峡です。狭い水路に、サウジアラビア・UAE・クウェート・イラクといった中東産油国からのタンカーが集中して通過します。

日本にとっての依存度は特に高く:

  • 原油輸入の**94.0%**が中東依存
  • そのタンカーの約8割がホルムズ海峡を通過

つまり、日本が使う石油の大部分は、この一本の海峡を経由しています。


原油価格の推移と今後のシナリオ

  1. WTI原油 67.02ドル(封鎖前)

    米イラン衝突前の水準。補助金終了後もガソリンは158円台で推移していた。

  2. WTI原油 75ドル台に急騰(+12%)

    軍事攻撃開始の報を受け市場が反応。日本株も急落、円は157円台に下落。

  3. WTI原油 76.68ドル、「100ドル目前」の報道相次ぐ

    日経・Bloombergが「数日以内に100ドル突破」と報道。産油国の在庫も3週間で限界との試算。

  4. 原油100〜130ドル超のシナリオ

    ニッセイ基礎研究所などの試算では、封鎖が2〜3ヶ月以上継続すれば原油100ドル超は必至。完全封鎖なら130ドル近くまで急騰する可能性も。


ガソリン250円になるシナリオ:数字で見る試算

情報

現在のガソリン小売価格(2026年3月4日時点):全国レギュラー平均 158.5円/L(資源エネルギー庁調べ)

2025年末に補助金(最大25.1円)はすでに終了しており、価格はすでに「補助金なし」の水準です。

原油価格とガソリン価格の関係をシナリオ別に整理します。

原油価格シナリオ別 ガソリン価格試算

シナリオガソリン価格目安前提条件
現状(76ドル台)158〜165円封鎖が短期で解除された場合
警戒シナリオ(100ドル台)180〜200円封鎖が1〜2ヶ月継続した場合
危機シナリオ(120〜130ドル台)200〜230円長期封鎖+円安150円台
最悪シナリオ(140ドル台)230〜250円超2008年水準の原油高+大幅な円安

ニッセイ基礎研究所の試算では、ドバイ原油110ドル到達で1リットル204円前後が見込まれます。さらに、封鎖長期化による円安圧力(原油価格10%上昇で年2兆円超の円売り需要発生)が加わると、250円超えも現実的なシナリオです。


ガソリン以外にも波及:電気・食品・物流

原油高の影響はガソリンだけにとどまりません。

① 電気料金の高騰

LNG(液化天然ガス)もホルムズ海峡経由が多く、電力のガス火力発電に直撃します。電気料金はすでに高止まりしており、さらなる値上げが懸念されます。

② 食品・日用品の値上がり

物流コストの上昇は、輸送費として食品・日用品の価格に転嫁されます。直近でも物価高に苦しんでいる家庭には、二重の打撃となります。

③ 円安の加速

原油高による貿易収支の悪化は円安圧力を生みます。3月2日にはすでに円が157円台まで下落しており、さらなる円安は輸入物価全体を押し上げます。

注意

野村証券・日本総研などの試算では、原油価格が120〜130ドルで推移した場合、日本のGDPは想定より約0.6%低下し、スタグフレーション(不況下の物価上昇)に陥るリスクがあると指摘されています。


事態が収束に向かう条件と長期化リスク

読者
いつ頃、事態は落ち着くの?
筆者
Bloomberg報道では「数日以内に解除」という楽観予測もありますが、イランの新体制・親イラン武装勢力の動向次第で長期化リスクもあります。トレーダーは「短期決着」と「長期化」の両シナリオを同時に織り込んでいる状況です。

封鎖解除に向けた条件:

  • アメリカとイランの停戦交渉の進展
  • イランの新指導部による現実路線への転換
  • サウジアラビア・OPECによる代替供給の拡大

長期化リスクを高める要因:

  • 親イラン武装勢力(フーシ派等)による代理攻撃の拡大
  • イスラエルの関与継続
  • 産油国の在庫限界(試算では3週間が限度)

ホワイトハウス高官は「イランの石油が供給危機を緩和する」との見方も示していますが、現時点では封鎖が継続しており、楽観視できる状況ではありません。


今すぐできる家計の対応策

ガソリン250円という最悪事態が来ないとも言い切れない今、家計としてできる対策を整理します。

ヒント

短期的にできること

  • ガソリン満タン運用を習慣化:価格がさらに上がる前にこまめに入れておく
  • 燃費の良い走り方を意識:急発進・急加速を避けるだけで燃費は10〜15%改善
  • カーシェアやEVの活用検討:ガソリン依存を下げる選択肢として

ヒント

中長期的にできること

  • 電力会社・プランの見直し:再生可能エネルギー比率の高いプランへの変更
  • 食料品の備蓄:物価高騰局面では、日持ちする食品の計画的な購入が節約になる
  • ポイント・キャッシュバックの活用強化:同じ出費でも還元率の高い方法を使う

まとめ:最悪を想定しつつ、状況を注視する

2026年3月現在のホルムズ海峡封鎖は、戦後日本が経験してきたオイルショックと構造的に近い事態です。

  • 現状:原油は76ドル台、ガソリンは158円台(上昇中)
  • 警戒ライン:原油100ドル到達でガソリン180〜200円圏
  • 最悪シナリオ:原油130〜140ドル+円安でガソリン230〜250円超

事態が数日で収束するのか、数ヶ月に及ぶのかは、現時点では見通せません。ただし、「補助金も終わっており、もしものバッファーがない」という2026年の日本の状況は、オイルショック時代よりも脆弱な面もあります。

中東情勢のニュースを引き続き注視しながら、家計のガソリン依存度を下げる行動を少しずつ取り入れていくことが、今できる現実的な対応です。